SWEET KISS

《SIDE S》

presented by ともり

titled by りゅう




あぁ疲れたなぁ、と新一は思った。
ここ連日の猛暑のせいか、事件の呼び出しが続いていたせいかもしれない。
本日も朝早くから、目暮警部の呼び出しに応じて、事件現場へ赴いたのだが、割と早く真犯人は分かったにもかかわらず、すごく後味の悪い事件だった。

「なんか甘いもん食いたいな」

疲れた時、甘いものを身体が欲するのは、人の性である。
ただし、こういう時、新一の欲する甘いものは、他の人とはちょっと違っている。

甘いものと思った途端、頭に浮かんだのは現在同居中の黒羽快斗の顔。
それにちょっと頬を染めて照れてしまう新一を見た幸運な通行人達がいたが、全く本人は気付いていない。
快斗との時間は、いつも新一にとって、甘いものに感じられる。

夕食には、間に合いそうだと思い電話しておこうと、家にかける。
ツーコールで出た相手の声にほっとする。

『快斗』
『もしもし、新一?』
『ああ、今終ったから。夕食までにはつくと思うからさ・・・・』
『うん、分かったvv美味しいご飯作ってまっているから、早く帰ってきてねvv』
『シセイドーパーラーのアイス買って帰るからな!じゃ!』

相手の返事も聞かず、通話を断ってしまう。
いつでも優しく包み込むような快斗の声。
耳元で聞こえてくる相手の声に、妙にドキドキしてしまった。

「・・・・早く買って帰ろう」


肉体的にも精神的にも疲れている時は、恋人との甘い時間が必要不可欠。
快斗と出会うまでどうやってこういう状態をやり過ごしていたのか忘れてしまったが、そんなことを思い煩う必要は無い。
あの恋人は自分を離さないと誓ったのだから。


銀座のシセイドーパーラーのアイスクリーム・・・・・・・・
それは、普段素直になれない新一からの甘い夜のお誘いのアイテム。


                       end



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