穏やかな朝。
新一は、リビングで何とはなしに庭を見ていた。
白い花は、充分にふくらみ、何時咲いても可笑しくないのだがまだ咲いていない。こ
こ数日天気が悪かったせいだろう。
「一週間か・・・。」
新一は溜息と共に呟いた。
快斗が、仕事のため家を空けて今日で6日目。
同居を始めてから、彼が家を空けるのは始めてである。
邪魔者がいない間に片付けようと思っていた本は、ページが一向に進んでいない。
コーヒーもすっかり冷めてしまっている。
「明日には帰ってくるかな。」
一週間で帰ると言っていた。
昨日までは、事件や学校で忙しくて寂しいなんて思わなかった。
しかし一人でぼんやりしていると、別に寂しいわけじゃないけれど、何となく・・・。
新一は、再び溜息を吐いて冷めたコーヒーを煎れ直しにいった。
「ただいま。」
丁度、コーヒーが入ったのと同時に声がした。
ここ数ヶ月ですっかり馴染んだ、久しぶりの声。
「快斗、お前どうして。」
一週間と言っていたのに。
「思ったより順調にいってな。あ、俺にもコーヒー。」
「久しぶりに、ゆっくり本が読めると思ったんだけどな。」
先程まで全然進まなかったことなど微塵も感じさせず、憎まれ口をたたく。もっとも
叩かれた本人は、どこ吹く風だが。
リビングに入ってすぐ、快斗は開かれた窓から入ってくるひどく甘い香りに気が付い
た。
そして、庭に目を向ける。
「梔子、咲いたんだな。知ってるか?梔子の花言葉。『私は幸せです。』てんだ
ぜ。」
煎れたばかりの一人分のコーヒーを快斗に持って来た新一は、同じ様に庭に目を向け
た。
朝、咲いていなかった白い花が、快斗が帰ってきた途端に咲いている。
花が咲いたのも、自分が幸せな気持ちになったのも、目の前の魔術師の魔法の様で、
新一はひどく楽しそうに笑った。
これだけは、素材を見つけられなかった…。 永瀬様、すごくそっけない画面でごめんなさい。 藤宮葵様がくちなしの素材を置いてある素材サイトさんを教えてくださいました。 さっそくいただいてまいりました。 藤宮様、ありがとうございました。永瀬様、いかがでしょう? BACK