Dolce Gelosiaそれは、ある日のことだった。快斗と橘斗(きつと)がキッチンで料理をしていた。 橘斗というのは、阿笠博士が発明した『物質コピーマシン』によって出来てしまった快斗のコピーだ。橘斗という名は、もちろん、キッドから転じた名前で、命名者は新一である。 「快斗、そこのアレ、取ってもらえますか?」 「あいよ。ところで、あっちのアレはどーすんだ?」 「それは、あとで私がやりますから」 「サンキュ♪ そうだ、橘斗んとこに、俺のアレいってねーか?」 「あぁ、そういえば、ありましたね。あとで快斗のところに運んでおきますよ」 「いいって。俺が行くから」 こんな光景はいつものことなのだけれど、今日はいつもとちょっと違うことがあった。 いつもなら自室かリビングで推理小説を読み耽っている新一が、ダイニングで頬杖をつきながら、二人のことを眺めていたのだ。 「……おい」 「橘斗〜、そろそろアレいいんじゃねーか?」 「そうですね。じゃあ、快斗はあっちの方をお願いできますか?」 「おっけ〜」 「おい!」 二人に無視された新一が、キレたように大声をあげた。 ようやく気づいた二人は、新一を振り返って言った。 「ごめ〜ん、お腹すいたよねぇ〜。もうすぐできるから、ちょっと待ってて〜」 「できたら呼びに行きますから」 新一は静かにプツンと切れた。 「メシ、いらね」 新一は不機嫌全開で、立ち上がると、自室に向かい、財布と上着を掴むと、そのまま外へと飛び出した。 「え? ちょっと、新一!?」 「新一がどうかしたんですか?」 「アイツ、出かけやがった……」 「私たち、何かしましたか?」 「いんや。ふつーに料理作ってただけだと思うけど……」 心当たりと言えば、どうやら新一が声をかけたのに気づかなかったらしい、ということぐらいだ。 「どうしましょう?」 「メシはもうできるし、探しに行くっきゃないでしょ。俺らの女王様は、ご機嫌斜めになると厄介だから」 「そうですね」 二人は、火元だけ確認すると、恋人を探しに外へ出た。 「快斗のバッカヤロ〜〜〜〜〜ッ! 橘斗のアホンダレ〜〜〜〜〜ッ!」 歩道橋の上で、新一は叫んでいた。 人通りは少なくても、トラックがひっきりなしに行き来するこの場所で、新一の絶叫を聞いていた者は、皆無に等しかった。 等しいだけで、皆無ではなかった。 よりにもよって、新一の幼馴染である蘭にその姿を目撃されていた。 「やーねぇ、何、こんなところで叫んでるのよ」 「ら…蘭……」 「なぁに? 快斗クン達と、喧嘩でもしたの?」 ……当たらずと言えども、遠からず。 喧嘩なんて大層なモノではない。 喧嘩になる以前に、新一は飛び出してきてしまったのだから。 「ホント、喧嘩するほど仲がいいってネ♪」 「……………喧嘩じゃねーよ」 「じゃあ、新一が拗ねてるだけなんだ?」 「ぐっ……」 今度こそ、図星を指されて、新一は言葉に詰まる。 「何があったのか知らないけど、さっさと謝っちゃった方がいいわよ?」 「だ…誰が謝るかッ!」 新一が謝らなきゃならないようなことではない……と思う。 拗ねているのは確かだけれども、別に謝らなければならないような悪いことなどしていないのだから。 むしろ、自分を放ってイチャイチャしていた二人にこそ、謝って欲しいぐらいだ。 「ふ〜〜〜ん?」 だが、蘭は納得していなかった。 問題があるのは、十中八九、新一だと踏んでいる。 「ま、いいわ。犬も食わないようなものに首を突っ込んで、馬に蹴られるのは勘弁だしね」 「……………」 犬も食わないのは夫婦喧嘩。馬に蹴られるのは人の恋路を邪魔するヤツだ。 「じゃあね! しつこいようだけど、謝るなら早いほうがいいわよ?」 立ち去って行く蘭の背中に向かって、新一は再び絶叫した。 「誰が謝るかぁ〜〜〜〜〜ッ!」 肩ではぁはぁと息をしたのち、新一ははぁ〜〜〜〜〜と深くため息をついた。 「腹減った……」 絶叫したら、急激にお腹がすいてきたのだ。 「なんか食うか……」 新一は、プラプラと駅に向かって歩き始めた。 「あれ?」 新一と別れた後、家に向かって歩いていた蘭の前に、よく似た顔の二人が現れた。 従兄弟同士と紹介されたが、双子のように似ている。 実は、快斗のコピーだなんてことは言えないので、周囲には従兄弟ということになっている。 「あ、蘭ちゃん!」 「もしかして、新一を探してるの?」 「蘭さん、新一に会ったのですか?」 「うん。たったいま、そこの歩道橋の上で。なんか絶叫してたよ。『バカヤロー』って」 クスクスと蘭は笑い出す。 新一とは、快斗たちよりも長い付き合いの蘭である。 昔から、何か気に入らないことがあると、あの歩道橋の上で絶叫してるのを、蘭は知っていた。 「ホント、しょーがないよね、新一は。どうせ、またくだらないことで、拗ねてるんでしょ?」 「……たぶん」 「たぶん?」 「私たちも、新一がなぜ拗ねてしまったのか、皆目検討がつかないんですよ」 「そうなんだ」 彼らに検討がつかないということは、ホントにくだらないことなのだろう。 「苦労するわね〜、快斗クンたちも……」 さすがに実感がこもっていた。 なにしろ、新一に恋人ができるまで、その苦労を背負っていたのは、蘭である。 蘭としては、一生その苦労を背負ってもいいぐらい好きだったのだが、新一が選んだのは、目の前にいる二人だった。 快斗と橘斗。二人とも恋人……と聞かされた時には、「二股なんてサイテー!」と詰ったりもしたのだが、本人たちが納得しているので、いまは暖かく見守っていることにした。 「じゃあね、蘭ちゃん。俺たち、新一を迎えに行くから」 「そうね、私と駄弁ってたなんてわかったら、新一のことだもん。余計に拗ねちゃうわよね?」 ニッコリ笑いながら、手を振って見送ってくれた。 本当に、よく出来た幼馴染である。 「……いないね」 「えぇ、いませんね……」 蘭が出会ったという歩道橋に、既に新一の姿はなかった。 だが、ここへ来るまでの間に、会わなかったということは、新一は駅方向に移動したものと予想される。 「何しに行ったんでしょう?」 「電車に乗られると、面倒だよね〜」 二人は、顔を見合わせ頷きあうと、駅に向かって走りだした。 その頃、新一は駅前をあっちへ行ったり、こっちへ行ったりしていた。 飲食店の前で立ち止まってはみるものの、食べたい、という欲求にまったく駆られないのだ。 お腹はめちゃくちゃ空いているのに。 「パスタ……は、橘斗が作ってくれる蟹のアメリカンソースのが食べたいなぁ〜。あれ、すげぇソースが美味いんだよなぁ〜。ラーメン……は、快斗がスープから作ってくれるやつがいいし。あっさりして、食べやすいんだよ……。カレー……は……」 と、万事この調子で、何を食べるかさっぱり決まらない。 二人が作ってくれる料理は、新一の好みにピッタリなのである。 しかも、ものすご〜く手が込んでいて、工場で作って冷凍したものを解凍するだけの外食ものとは、月とスッポンの味である。 二人の愛情がたっぷり注ぎ込まれているのだから、比べるほうが間違っている。 だからと言って、新一は外食をしないわけではない。 三人でどこかのレストランに行って食べることは、時々ある。 そのときの食事は、シェフがいるレストランだし。 「う〜ん、とりあえずスタバ行って、コーヒーでも飲むか……」 結局、何も食べたくなくて……。 でも、すごすごと家に帰ることもできなくて。 「今夜のメシ、何だったんだろうなぁ〜?」 二人が作ってくれていた料理の献立を気にしつつ、コーヒーを啜った。 「腹減った……」 コーヒーを飲み干して、新一はテーブルに突っ伏した。 こんなことなら、財布だけでなく、推理小説の一冊でも持って来るべきだった。そうすれば、空腹を忘れて読み耽っていられたのに、と後悔しても遅い。 駅前には書店もあるのだから、何か買えばよかったのかもしれないが、いまのいままで、このことに気づかなかったのだ。 「どうしよっかなぁ〜、これから……」 そう呟いた時だった。 「見〜つけた♪」 聞きなれた声が背後でして、新一はガバリと振り返った。 「快斗!?」 「さ、帰りましょう?」 「橘斗まで……。なんで……?」 「なんでって……。新一を追いかけて来たに決まってるじゃん♪」 「追いかけっこするなら、そう言ってください。いつもと立場が逆のような気もしますが……」 怪盗キッドの時のことを仄めかしながら、二人が笑う。 「追いかけっこじゃねーよッ!」 「じゃあ、なんで急に飛び出してったの?」 「……………」 「言ってくださらないと、わかりませんよ?」 言える訳がない。二人が余りにも通じ合っていて、疎外感を感じて、嫉妬したなんて……。 「「新一……?」」 「……………ここじゃ言いたくない」 「じゃあ、ひとまず帰りましょう?」 新一は、コクンと小さくうなずいて、二人に手を引かれるようにして帰路についた。 「で……? 何で、急に飛び出して行ったんです?」 「……………ょ」 新一は俯いたまま、ボソボソと答えた。 その声が橘斗に聞こえる訳がなく……。 「聞こえませんね。もう一度、言ってください」 それでも、なかなか答えようとしない新一に、暖め直した空豆のスープをカップに入れて持ってきた快斗が呆れ顔で言った。 「新一らしくないよ? ほら、これ飲んで。さっさと白状しちゃいな?」 「……………」 口を固く結んで、答えようとはしない新一に、二人は深く溜め息をついた。 「黙秘……ですか?」 「ホント、立場がいつもと逆だよね?」 追われるのは怪盗キッドで、名探偵じゃない。 尋問するのは名探偵で、怪盗じゃない。 二人はもう一度、ハァ〜〜〜っと溜め息をつくと、新一が逃げられないように、両脇から抱き締めた。 「ねぇ、新一……」 「言いたくないなら、身体に聞いてみますよ?」 新一はビクリと身体を強ばらせた。 二人の指がツゥッと、新一の首筋に這わされた。 新一の身体にゾクリとする甘い痺れが走った。 このまま行けば、相当、ヒドいことをされるのは必至だ。 それくらいなら、素直に言ってしまった方がいいのではないか? そう考えてしまう。 二人とのエッチは嫌いじゃない。むしろ、好きだったりする。 二人掛かりで、愛され、甘やかされ、身体が芯から蕩けそうになるのは、至福のひとときだ。 だが、こういう時のエッチは、新一がイきたくて堪らなくなっても、なかなかイかせてもらえないのだ。 それが、堪らなくツラい。 それに……いまの新一には、性欲に勝る欲求があった。 「ま…待てッ! ちゃんと話すから……」 「わかっていただけて嬉しいですよ」 「ん〜、俺としては、どっちでもヨカッタんだけどね〜♪」 「ちゃんと話すから……、とりあえずメシ食わせてくれ。腹減って、倒れそうだ……」 そう、性欲よりも食欲! 腹が減っては戦はできぬ。 エッチだって、お腹が満ち足りてるときのほうがヨカッタりする。 「いいでしょう」 橘斗が立ち上がってキッチンへと向かう。 新一もダイニングへ向かおうと立ち上がったら、快斗に腕を掴まれ、ソファに引き戻された。 「新一クンには、少しお仕置きしないとね♪」 「なッ……!?」 快斗が手をクルリと翻すと、その手には拘束具が現れた。脱出マジックなんかの時に使う革製のものだ。 「か…快斗ッ!?」 この期に及んで、お預けをくらわされるのだろうか……と思っていると、そうじゃないと快斗が笑った。 「大丈夫。ちゃんとゴハンは食べさせてあげるから。話を聞きながらね♪」 快斗は嬉々として、新一の両手を後ろにまわし、拘束具を嵌めていく。 新一の顔から血の気が引いた瞬間だった。 先ほどカップで渡された空豆のスープに、トマトとモッツァレラチーズのサラダ。メインにはトロトロに煮込んだタンシチュー。デザートは、さっぱりとしたウーロン茶のゼリーだ。 どれも新一の好きなもので、舌なめずりしたくなるように美味しそうなメニュー。 だが、いまの新一に、そんな余裕はこれっぽっちもなかった。 橘斗の身体に凭れ掛かるようにして座らされ、目の前にはスプーンを持って快斗が座り込んでいる。 「しんいち、口開けて?」 両手は拘束されているから、仕方なく口を開けると、快斗が手にしたスプーンで口の中にスープが注ぎ込まれる。 けれど、体勢が悪いせいか、うまく嚥下できなくて、口の端からスープが零れ落ちる。 「行儀悪いよ?」 ペロリと舌で零れ落ちたスープが舐め取られる。 「あ…んッ……」 たったそれだけのことに、なんだか隠微なものを感じてしまって、身体が熱くなる。 食事というのは、セクシャルな感覚に通じるところがある。食事の仕方が汚いと、どんなイケメンであっても、幻滅するように……。 というか、これはもう、食事じゃなくてセックスなんじゃないか? と思うほど、淫猥な食事だった。 スープを飲み終わるころには、新一のシャツにはたくさんスープが零れ落ちていた。 「あぁ、汚してしまいましたね。脱いだ方がいいですね」 橘斗の手でシャツが脱がされ、胸が露わになる。 「さぁ、約束ですよ? 突然、出て行った理由を教えてください」 「ま…だ……メシ、終わって…ない……」 「食事をしながらでも、話はできるでしょう?」 「教えてくれないんなら、このビーフシチューは俺が食べちゃうよ?」 新一の口元まで運んでいたスプーンが、Uターンして、快斗の口に運ばれていく。 「話す気になった?」 ビーフシチューを美味しそうに食べて、快斗は新一を見る。 「……………」 一度は話す覚悟をしたものの、できることなら話したくない。 なんとか、話さずに済ませる方法はないものか……と考えながら、のらりくらりと後伸ばしにしているのだ。 「名探偵は手ごわいよね〜」 口元に運ばれてきたスプーンが、今度は新一を通り過ぎて、橘斗の方へ運ばれる。 「美味しくできましたね」 「話してくれないと、美味しいお肉はぜ〜んぶ俺たちが食べちゃうよ? あ、これが最後のお肉だ」 (……脅しかよッ!) それも、かなり子供じみた……。 だが、空腹の新一には、効果があったらしい。 「わ〜ったよっ! 話すから、肉くれ!」 「じゃあ、はい!」 快斗は手にしたスプーンをマイクのようにして、新一に突きつけた。 「……………嫉妬したんだよ」 「はい?」 「誰が誰に?」 新一が嫉妬するような相手があの場面で居ただろうか? というのが、二人の疑問だ。 二人で食事を作っていたのであって、他の誰も居ない。 たとえば、蘭がそこに居た……というのなら、話はまだわかるのだが。 「俺が! お前たちに!」 「新一が? 私と快斗に?」 「なんで?」 「なんでって……。だって、オメーら『アレ』とか『ソレ』とかばっかで……。なのに、通じあってて……。俺だけ除け者ってカンジがして……。オメーら二人がイチャイチャしてるのが悪いッ!」 「「……………」」 快斗も橘斗も、呆気に取られて言葉を失ってしまった。 「しんいち……。私はナルシストじゃないんですけどね?」 「俺も。橘斗相手に、こんなことしたいと思わないよ?」 そう言って、快斗は露わになったままの新一の胸をペロリと舐めた。 「私たちは二人で一人ですから、言葉にしなくてもわかってしまうところはあります」 「でも、新一を除け者になんてしてないよ?」 「わかってる……けど……」 それでも疎外感は感じてしまうのだ。 それが怪盗キッドに関することならば、新一も納得できたのだろうけど、そうじゃなかったから、余計に寂しかったのだ。 「つまり、親に構ってもらいたい子供みたいな気持ちだったと……」 「新一、かっわいい〜〜〜〜〜ッ♪」 「〜〜〜〜〜うるせーッ! ガキみたいで悪かったなッ!」 逆ギレ気味に叫ぶと、快斗と橘斗の両方から、頬や耳朶にキスされた。 「嬉しいですよ♪」 「そういう新一が大好きだよ♪ けど……」 「「俺たちの愛情を疑った罰。お仕置き続行決定!」」 口を揃えて言われてしまい、だからオメーらのそういうところが嫌いなんだ……と思う新一であった。 でも、どちらか一方を選ぶことなど出来ず、どちらも欲しがったのは新一。 自業自得と納得するしかなかった。 「……お仕置きしてもいいから、俺の肉、よこせよなッ!」 快斗はクスッと笑って、新一の口へ肉を運んだ。 「ひゃあっ……つめた…いッ……」 デザートのウーロン茶ゼリーは、ほとんど新一の口には運ばれなかった。 最初の何口かを食べさせてはもらったものの、その後は口ではなく、乳首や臍、華棹の先端に置かれ、快斗がそれを舐める……という行為が繰り返し行われた。 橘斗は新一の身体を支えながら、乳首を弄ったり、耳朶を舐めたりしていた。 すでにズボンも下着も引き下ろされ、身に着けているのは、両腕に絡まったままのシャツだけという状態である。 「フフッ、新一の身体が熱くなってるから、ゼリーがすぐ溶けちゃうよね♪」 「新一ももっと食べたいですか?」 新一はコクコクと頷くことで、応える。 「ならば、新一の下の口にも食べさせてあげましょう」 「ぁん……」 卑猥なことを言われて想像しただけで、新一の前から先走りの雫がにじみ出る。 「フフ、それが答えだね♪ いま食べさせてあげるよ」 快斗が足を持ち上げようとしたのを、橘斗が止めた。 「快斗ばかり楽しみすぎです」 「それもそっか。じゃあ、下の口は橘斗に任せて、その間、上の口で俺のをしゃぶってて貰おっかな?」 「いいですよ」 「んじゃ決まり♪」 両手を拘束されて身動きが取れない新一の体制を、二人掛かりで変えてあげる。 快斗はソファに腰掛け、前を寛げると自分の屹立を引き出し、新一の口を引き寄せる。 橘斗は肘掛のところにクッションを置き、新一の足を乗せて、尻が高くなるようにすると、下の口を指で広げ始めた。 上体と膝だけで身体を支えながら、新一は快斗のモノに舌を這わせる。 「新一、下の口が早くゼリーを食べたいって、ヒクヒクしてますよ」 「上の口も足りないみたいだよ? もっとしゃぶって?」 「ゃぁ……ンッ……」 いやらしい言葉で攻められて、新一の腰が揺れる。 「そろそろいいですね」 橘斗はウーロン茶のゼリーをスプーンにすくうと、指で広げた下の口に押し当てた。 「ひゃぁ…ぁん……」 冷たい感触に、新一はキュウッと下の口を閉めてしまった。 「ダメですよ、スプーンまで食べてしまっては……。それとも、これで中を掻き回して欲しいのですか?」 橘斗は新一の返事を待たずに、スプーンをくいっと捻った。 「あぁぁぁぁぁッ!」 異物が中を掻き回し、新一の感じやすい部分に当たる。 「悪い人ですねぇ。こんなモノにまで感じてしまうなんて……」 「新一〜、おしゃぶりが疎かになってるよぉ〜。ほら、ちゃんとしゃぶってくれなくっちゃ」 新一が嬌声を上げた途端に口から出て行ってしまった快斗の屹立を、もう一度、新一の口に銜えさせる。 「新一、下の口も開けてくださいな。これじゃあ、私のを食べてもらえないですよ?」 快斗のモノをしゃぶりながらも、なんとか力を抜いて、スプーンを抜けるようにする。 けれど、橘斗は意地悪く、なかなかスプーンを抜こうとはしない。 「はや…くぅ……、早く抜い…てぇ……」 「新一がしっかり銜えこんじゃったので、傷つけないように抜くのは難しいんですよ」 金属の感触が、新一の中で動き回り、つい力が入ってしまう。 「もう少しで抜けそうでしたのに、また最初からやり直しですよ?」 「あぁ…ん……橘斗ぉ……ッ」 触れられていない新一の華棹からは、タラタラと雫が滴り落ちて、ソファを汚していた。 ようやくスプーンが抜かれると、すっかり中の熱で溶けてしまったゼリーが後ろの口から滴り落ちた。 「いやらしい光景ですね。前も後ろも雫を溢して……」 橘斗は舌を寄せて、滴り落ちたゼリー液を舐める。 「美味しいですよ、新一」 そして、自分も前を寛げて、張り詰めた屹立を新一のソコに押し当てた。 「あぁぁぁぁぁぁ……ッ!」 ゼリーやスプーンみたいに冷たいものではなく、熱の塊のような橘斗の屹立が新一の中に押し入ってくると、新一はもう快斗のものをしゃぶっては居られなくなった。 「しょうがないよね〜。俺のも後で下の口で食べてくれるなら、新一のして欲しいことしてあげるよ?」 新一はコクコクと頷いた。 「して……」 「何して欲しいの?」 「手…外して……」 体勢を制限される姿勢がつらくて堪らないのだ。 だが、快斗はそれを受けてはくれなかった。 「う〜ん、それはダメ。お仕置きなんだから」 「なら……、乳首……弄って?」 「それはオッケー」 快斗はそっと、身体を動かし、新一が少しでもつらくないように胸の下にクッションを宛がうと、横から手を伸ばして両方の乳首を弄った。 「ハァ…んっ……。いいっ……ぁぁッ!」 新一の腰が激しく揺れ始める。 「新一、そんなに激しくしたら、こっちが持ちません」 「いいッ……イって……? 中に出してぇッ!」 「仕方のない名探偵ですねぇ」 橘斗の雄蕊が激しく抽挿される。 快斗も新一の乳首を弄りながら、白い背中に舌を這わせる。 「あぁ、あ……ンッ!」 「新一、俺も我慢できない。この手で俺の弄って?」 快斗は新一の背中に馬乗りになるようにして、膝立ちすると、拘束された手に自分の雄蕊を握らせた。 充分に扱くことのできない新一の手に変わって、快斗は自分で腰をグラインドさせる。 「あぁぁぁぁぁッ、イ…イくぅ……ッ!」 新一の華棹から白濁の蜜が勢いよく飛び出した。 「しんいち……」 橘斗の屹立も、絞り取られるようにして、新一の最奥へと蜜を注ぎこんだ。 「まだ、終わんないよ?」 ぐったりした新一の身体の上から退き、快斗はソファに座り直した。 橘斗の屹立が引き抜かれた身体を抱き起こし、自分の膝の上に座らせる。 「約束したよね? 後で俺のも下の口で食べてくれるって。俺だけまだイってないし」 新一は気だるさを滲ませながらも恍惚とした微笑を浮かべて頷いた。 「ならば、私のも快斗がしたみたいにしてくださいね?」 「乳首、弄ってくれるなら……」 「いいですよ」 快斗の膝の上で、橘斗に背中を向けて座る新一の手に、屹立を握らせた。 新一の嫉妬から始まった三人の甘い夜は、果てしなく続くのだった。